INSIDE ORIGIN|横山泰介

WEBコンテンツ「INSIDE ORIGIN」は、さまざまな分野で活躍する方々をゲストにお迎えし、「ルーツ(ORIGIN)」をテーマに、歩んできた人生の中で大切にしている価値観や信念について語っていただくストーリーコンテンツです。 その人が歩んできた道や原点に触れることで、言葉や表現の奥にある「本質」に少しだけ近づいてみたい。そんな想いを込めています。

第1回目のゲストは、写真家であり、76歳の現在もサーフィンをライフスタイルとして楽しまれている横山泰介さんです。ご自身に似合う服をさりげなく着こなし、お気に入りのメガネや帽子とともに、パトリックを素敵にコーディネートされています。

Photo_Yusuke Hosoi
Text_Takayuki Ohno
Edit_Toshihiro Otake

横山泰介[写真家]

1948年生まれ。1970年代、学生時代に撮影した稲村ヶ崎の写真をきっかけに写真家の道へ。 以来、海に関わるさまざまなテーマを作品として撮り続けている。
サーファーに限らず、ミュージシャン、アーティスト、ハリウッドスターなど、数多くの著名人を撮影している。
https://www.instagram.com/taiseye/

 

ー 泰介さん、こんにちは。いつもパトリックを愛用いただきありがとうございます。泰介さんとパトリックとは長いお付き合いだと思いますが、まず最初にパトリックとの出会いについてお聞かせいただけますか。

横山:かなり昔の話になるけれど、20年ほど前にパトリックのカタログ撮影をする機会があったんだけど、それ以来、僕の足元は、ほぼパトリックというようなスタイルが決まってしまいましたね(笑)

独特のスタイリングと履き心地にやられてしまって、あたり前のように、いつもパトリックがあるという感覚なんだよ。

 

ー パトリックはもともとご存知だったのでしょうか。

横山:もともと知っていましたよ。80年代にはもう日本に上陸していて、青山や原宿で、当時の感度の良い人たちが履いてたりして、今まで見たことのないデザインやカラーリングが斬新で、とても新鮮だった記憶がありますね。

その後、ポパイなどの雑誌に紹介されて、フランスのスニーカーだと知ったんだよね。なんといってもカラーリングが印象的で、当時の広告には、“足元のメークアップ”なんて、気取ったコピーがつけられていたよね(笑)

 

ー 今回スタートするINSIDE ORIGINでは「ルーツ(ORIGIN)」をテーマに、人生観や大切にしている価値観、そして信念について語っていただくストーリーコンテンツですが、まずは、泰介さんが大切にしている価値観や信念などありましたらお聞かせください。

横山:そんな大層なものはないんだけどね(笑)ただ僕が今まで経験した中では、仕事、遊びに関わらず、計画を立て、そのまま何も支障がなく終えることというのは、なかなか無かった気がするんだよ。

そんな中でも、自然体でいることを大事だと感じるね。なるべく流れに沿って自分がそこにいることがとても大切だと思うんだ。だから、僕はフロウという言葉が好きなんだよ。人は、人生の中でいろいろなことを経験して、そこからヒントやアイデアを産みだしていくんだよね。

 

ホームポイントにて

 

ー 湘南をベースに仕事をされてこられましたが、ここにはどんなこだわりがあるのですか。

横山:僕は若い時分に湘南をベースに仕事をするということを選択したわけで、長年この辺がフィールドだし、撮影もこの辺が多いから、どうやったらベストな撮影ができるか、自分の中である程度のことには対応ができるようになってきたという感覚があるんだよ。

それと単純に波があるときにサーフィンをしたいから。結局、サーフィンありきの人生という意味では、自分のライフスタイルと湘南はすごくフィットしていると思うな。

今考えると若い時分、東京をベースに一生懸命仕事をしていれば、それなりの仕事もできたんだろうけどね(笑)

 

ー 写真家という職業を選ばれたことにつながるようなエピソードがあればお聞かせください。

横山:僕の父は絵描きであり漫画家でもあったから、父のアトリエにはさまざまな洋書(アートブック)があって、それを見るチャンスもあったし、子供の頃から父からもよく、良いものを観なくては駄目だと言われていたんだ、美術館にもよく通ったかな。そういう意味では父親の感覚から非常に影響を受けたと思いますね。

それと、義兄が広告代理店をやっていて、彼の周りには、当時(1970年前後)のそうそうたるクリエイターたちがいたんだよね。その仲間には、亡くなられたデザイナーの渡邊 馨(わたなべ かおる)さんや、カメラマンの佐渡 朔(さわたり はじめ)さんなどがいて、彼らからも大変影響を受けました。

その後、いつかサーフムービーを撮ってみたくて、その世界に入ったんだけど、なぜだかスチールを撮るようになっちゃったんだよね。実は僕にカメラマンになれと勧めたのもこの義兄だったんだ。

 

ー 手元にある今から20年ほど前のパトリックのカタログですが、この時のイメージカットは、泰介さんに初めてパトリックの撮影をお願いした時のものですね。

横山:実はね(笑)モルディブにサーフィンをしに行くことがあってね、そのタイミングにパトリックから広告の写真を頼まれたんだよ。スニーカーを4足ほど借りていって、いきあたりばったりで撮影したものなんだ。南の島モルジブの世界観を想像した僕の頭の中では、なんとかなるだろう、大丈夫だと思ったんだよね。

 

2002年パトリックカタログより

 

横山:行ったことがある場所だし、頭の中には撮影場所やら太陽光の具合がインプットされているからね。案の定、現地に行ったらモデルになりそうなローカルがいて(笑)自分のアロハシャツなどを着させて、バッチリ、コーディネートしちゃったよ(笑)ポージングも最高だし、みんないい写真でしょ。

おまけにギャラはスニーカー1足。モデルをしてくれた彼らも大喜びだった。こんなことは日常茶飯事で、過去のいろいろな 経験が引き寄せるマジックみたいなもんかもね(笑)

フィルムで撮影していた時代は、現場には必ずスタイリストがいて、コーディネートを決めるんだけど、当時、予算の少ない仕事も結構やってたりしてカメラマンの自分が全て兼任することも多かった気がするな。

その経験や見てきたことが役立っているかもね。この時、ファッションの仕事も結構楽しいなと思ったんだよ。ただ、やはりチームで仕事をすることが一番大切だから、同じような感性を持った人と仕事をするのがベストだと思うな。

 

2002年パトリックカタログより

 

横山:このカタログの表紙にこのカットをチョイスしたデザイナーのセンスには脱帽したね。

 

2002年パトリックカタログより

 

横山:ところで、このカタログ内のパトリック(およそ50足)の物撮りも僕が撮ったんだよね。これのほうが大変だった(笑)

 

2004年パトリックカタログより

 

ー その後も都内で雰囲気の良い撮影場所を探して、湯島の湯豆腐屋さんや下町のボクシングジムをスタジオに見立てて、素敵な写真を撮っていただきましたよね。

横山:あの時のコーディネートも斬新だったね。パトリックがスポーツシューズからファッションを意識しはじめた時期で、20年前にいろいろなことを試しながら作ったことが懐かしいね。

 

ー これまで、泰介さんを通して、いろいろな方にパトリックを履いていただきましたね。また湘南界隈でもパトリックのブームを作っていただいたように思います。

横山:そうだったね。僕のポリシーとして、自分が気に入ったものじゃないと人には勧められないんだよね。その点、パトリックは誰に勧めても本当に気に入ってくれる秀逸なスニーカーなんだよ。

 

ムッシュ&テストライダーズ

 

横山:なかでも、ムッシュはいつもパトリックを愛用していた気がするね。 あの人はクツ好きだったしね。あと、南佳孝さんとか。都会だけではなく、海沿いの装いにもコーディネートできるパトリックはみんなのお気に入りだったね。

 

逗子海岸にて

 

ー 泰介さんは、いつもスニーカーを上手にコーディネートされていますが、ポイントがあれば教えていただけますか。

横山:人それぞれだと思うけど、おしゃれを気にする人は、服のコーディネートを決めてから足元を選ぶこともあるし、クツを先に選んで、それに合った服をコーディネートする場合もあるよね。そういうことが楽しめるスニーカーがパトリックだと僕は思うよ。

パトリックはカラーバリエーションが豊富だし色調も良いよね。ボディカラーやラインのカラーが服の色味と合わせやすいんだよ。ここがポイントかな。

 


横山さんのパトリックコレクション。どれも履き込まれてて、いい感じでした。

ー あらためてパトリックを愛用する理由についてお聞かせください。

横山:まず、日本人の足にフィットするスニーカーだと思うな。いうなれば、履き心地がいいこと。これは大切だね。どんなに優れたデザインでも、足が痛くなったり、靴擦れができたりしたら、それはいくらかっこいいスニーカーでも履いていられないよね。

その点、パトリックは、どのモデルに限らず、デザインと機能が両立していることが素晴らしいかな。それが僕が長きに渡りパトリックを愛用している理由ですね。

 


逗子海岸にて

 

ー 今後のパトリックについてのご希望がありましたらお聞かせください。

横山:パトリックには今まで通り、ある程度、こじんまりしながらもカッコいいブランドでいて欲しいな。それで、良いものを作っていく。こういうやり方だと寿命も長いし、いいバランスでいくことが大切だと思いますね。

 


2025年春夏 PATRICK ORIGIN COPENHAGEN-OG(コペンハーゲン オリジン)

ー 今回、履いていただいたオリジンのコペンハーゲンについて感想をお聞かせいただけますか。

横山:オリジンシリーズはカタログで拝見したんだけど、レトロ感のあるファッション感覚で、おしゃれな大人が履けるスニーカーだと思いましたね。

コペンハーゲンは、まずフランスのエスプリを感じますね。スポーティーで清潔感があり、ホワイトボディにネイビーとグリーンのラインが初夏を連想させる爽やかな印象のスニーカーだと思いました。

履き慣れたデニムやショートパンツとの相性も抜群だと思うし、今夏、僕の中ではヘビーローテーション間違いないかな(笑)

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