INSIDE ORIGIN|マーク・パンサー

WEBコンテンツ「INSIDE ORIGIN」は、さまざまな分野で活躍する方々をゲストにお迎えし、「ルーツ(ORIGIN)」をテーマに、歩んできた人生の中で大切にしている価値観や信念について語っていただくストーリーコンテンツです。
その人が歩んできた道や原点に触れることで、言葉や表現の奥にある「本質」に少しだけ近づいてみたい。そんな想いを込めています。

第3回目のゲストは、日本の音楽史に名を残すユニット「globe」のメンバーとして活躍されたマーク・パンサーさん。10代の頃から本格的にモデルとして活動し、映画にも出演された多才な彼は、スマートな容姿で何を着ても様になってしまう、まさに「ズルい」存在です。そんなマークさんですが、ご自身はあまり服には頓着されないとか。いつも笑顔で気配りの上手なマークさんに、これまでの歩みと現在の想いを伺いました。

Photo_Yusuke Hosoi
Text_Takayuki Ohno
Edit_Toshihiro Otake

マーク・パンサー[ミュージシャン]

フランス・マルセイユ生まれ。フランス人の父と日本人の母を持つトライリンガル(日本語・フランス語・英語)。
1990年代、日本音楽史に残るユニット「globe」のメンバーとしてブレイクし、デビュー作は400万枚を超える大ヒット。シングル「DEPARTURES」など数々のメガヒットを生み、4大ドームツアーでは100万人以上を動員した。

2015年、音楽活動20周年を機にソロプロジェクトを始動。エヴァンゲリオン主題歌「残酷な天使のテーゼ」の英語カバーをEDMアレンジで世界100カ国以上に同時配信し、国内外で話題を集めた。

2023年より健康生活研究家として活動をスタート。「食全般・睡眠・生活・心」の考え方について発信中。

主な肩書:健康生活研究家、大阪芸術大学客員教授、別府ツーリズム大使、日出町観光大使、佐伯応援大使、別府八湯温泉道名人会名誉会員、九州温泉道泉人、温泉観光アドバイザー

@kenkoseikatsu_marc

ー こんにちは!いつも笑顔が素敵ですね!まずは、近況などお聞かせいただけますか?

マーク:こんにちは!ありがとうございます。最近は健康な食生活にはまっていて、食に関することをラジオや動画で発信しています。食については、みなさん相当真剣に考えているようで、いろいろな質問や反響があり、やっている僕も驚いています(笑)

5月からはBS 10チャンネルで、地球(グローブ)を旅する番組のナビゲーターを務めています。

ー 最初にご自分のルーツでもあるフランスについてお話を聞かせていただけますか?

マーク:僕は、父の母国フランスのニースという街で生まれまして、その後、2歳で母の母国、日本に移住して、幼稚園から小学校の途中まで湘南の茅ヶ崎で育ちました。それから両親の「フランス語での教育」という観点から東京の九段にある暁星インターナショナルに入学したのですが、その当時は門前仲町に住んでいて、下町の風情ある街並みと近所の方たちの気さくな感じがとても居心地が良かった記憶があります。その頃は、毎年、夏休みに父の故郷フランスに戻るというような生活でした。

生まれ故郷のニースは、地中海に面していて背後には南アルプスがあり、海水浴もできればスキーもできるという素晴らしい環境なんです。

ー いろいろとご活躍ですが、マークさんのお仕事に関して、そのルーツを聞かせてください。

マーク:子供の頃からモデルをやっていたんですが、15歳でメンノンの初代専属モデルに抜擢され、そこから本格的にモデルの仕事を始めました。当時、メンズファッション誌が爆発的に流行りだし、その影響はとにかく凄くて、メンノンは毎月250万部売れていたようで、globeの代表的なミリオンセラー「Departures」が7年間、毎月連続で売れているという超人的な雑誌でした。

ー その後、音楽の道に進まれるのですね。

はい、ミュージシャンという道に進んで行くことになるのですが、そのきっかけは、加藤和彦さん(フォーク・クルセダーズやサディスティック・ミカ・バンドで活躍した日本の音楽界のレジェンド)から歌ってみないかって誘われたことでした。当時は何もわかっていませんでしたが、その時に関わっていたミュージシャンたちが、凄くて、YMOの高橋幸宏さんや細野晴臣さんが曲を書いてくれたりしたわけです。ほんとに凄いアルバムだったんだけど、7,000枚位しか売れなくて(笑)でも、それがきっかけで音楽に興味を持ったのかな。

ー 80年代になってからは、人気テレビ番組のMTVでMCを勤められていましたね。

音楽は10代から聴きまくっていたのですが、当時、ちょうど日本に上陸したMTV(1981年、米国で放送されたミュージックビデオを24時間流し続ける音楽専門チャンネル)の日本での初代MCに抜擢されたのが18歳の時でした。それがきっかけで再び音楽の世界に入っていくことになるんですが、その現場ではいろいろな経験をさせていただきました。来日した大物ミュージシャンのインタビュー取材のアポ取りをして、コンサートのバックヤードに行きアーティストたちから直接、話を聴いたり、海外取材でガンズ&ローゼスやUB40のインタビューもしましたね。本当にスペシャルな経験ができて楽しかったです。

ー その後、小室哲哉さんやKEIKOさんとの出会いがあるわけですね。

MTVでの経験から、だんだん自分の中に音楽についてのデータが蓄積され知識となっていったのですが、そんな中で、ある時、小室さんと出会い、音楽の話を通じて意気投合したんですよ。彼(小室さん)から「お前、面白いなぁ」って、音楽の好みが合うし、音楽の話題も豊富だな、みたいなことで意気投合して、そこから行動を共にすることになって、1年ぐらいずっと一緒にいたら、「じゃあ次だ」って言うことで、新ユニットのメンバー(KEIKO)探しに行くツアーに出たんですよ。そしてKEIKOと出会って、ご存知のようにglobeの活動へと繋がっていったんです。

ー まさにglobeのルーツ。とても興味深いストーリーですね! さて、話題をかえさせていただきますが、マークさんは、いろいろな土地で暮らしたことがあると聞いていますが、そのあたりをお聞かせいただけますか。

マーク:そうですね、まずは街(都内)に住んでた時が一番辛かったのかな(笑)街で活動していた時が物質面では恵まれていたことは間違いないのですが、いま振り返ると記憶に残っていることがあまりにも少なすぎて、globe時代の思い出はほとんどないかな。いろんなことをやりましたが、結局ファンのほうが僕らのことを沢山覚えていて、「あれ、凄かったですね!そんなことやったっけ?そんな番組に出ていた?」みたいな。そう考えると、なんか時間の使い方がもうあまりにも酷くて、なんだったんでしょうね(笑)

ー 現在、いくつか生活の拠点をお持ちとのことですが、それぞれの土地での日常について教えていただけますか。

そうですね、僕の暮らしは季節によって場所がかわるのですが、冬場から春にかけては、比較的暖かな湘南にいます。湘南での暮らしは海のリズムに合わせてビーチを散歩したりサーフィンをすることが楽しみの一つです。サーフィンに出会えて本当に良かったと思います。

春から秋までの間は、父と僕で作った山荘のある長野で暮らします。ここは本当に静かで寛げるとても居心地の良い場所です。僕が大事にしている犬や猫たちもいつも一緒だし。

それから、仕事で頻繁に通っている別府も本当に良いところです。いたる所で温泉が湧き出ていて、誰でも100円で入れちゃうんですよ。無料の温泉かまどもそこらじゅうにあって、八百屋で買った野菜や卵をそこに入れて茹でたり蒸したり、それを近くのベンチに座って食べる。これが最高なんですよ。

ー いろいろな場所で、いろいろな楽しみ方を実践されていますね。羨ましいかぎりです。

ありがとうございます!湘南では海、長野では山、別府では温泉と仕事、みたいな感じで、自然と共存することの大切さを凄く感じながら楽しんでいます。やはり暮らしている環境が大事で、全盛期のglobe時代は忙しさの中で心の底から楽しむ余裕がなかったけれど、いまは思いっきり楽しんでいると感じますね。それは、山や海など自然からの学びが、大きな理由だと思います。

ー さてファッションモデルとして活躍されていたマークさんですが、ファッションについて拘っている点があれば教えてください。

マーク:僕は2歳からモデルとして活動しているのですが、モデルをしていると自分のためにおしゃれをするという意識が全くおこらなくて、普段外出する時はトレンドなんて気にしないし、常にカジュアル、買うものは古着、いまだにメルカリで古着を買っているんですよ(笑)

そう考えると自分のファッション感というものがないので、服にお金をかけることもなく、仕事のためのファッションという感覚なのかな。スタイリストが考えるファッションが全てで、自分でコーディネートすることは無かったような気がします。でもアメカジは好きですね。

ー そうなんですね。でも、マークさんのコーディネートって、いつもかっこいいですよね。

マーク:自分の好みといえば、どうしてもミュージシャン風な服になりがちなんです(笑)参考にするものは、テレビでもなくファッション誌でもなく、やはりライブコンサートで好きなミュージシャンが着ているものだったり、そういうものをチェックしちゃうんですよね。

1960年代や1970年の何々のコンサートで、あのミュージシャンが着ていたTシャツだったり、スタイル・カウンシルの彼奴が着ていた細身のスーツだとか、そういうところから僕のファッションスタイルが産まれたのじゃないのかなと思いますね。

なかでも80年代に登場したパンクには傾倒しました。なぜかファッションがそうなってしまうのはパンクを意識しているからですかね。パンクミュージックが好きな部分があるし、彼らの生き様もかっこいいし、社会と相反するファッション、そこに共感できるのかもしれませんね。

ー フランスにはエスプリという言葉がありますが、マークさんにとってのエスプリとは何なのか聞かせてください。

マーク:うーん、あまり質問の答えにはならないけれど、フランスではエスプリというのはお化けのことで、日本で解釈されているスピリチャルなもの、そういった意味でとらえられているのがちょっと不思議な感じです(笑)

しいていえば、僕は、あまり新しいことから得るものが無くて、過去から学ぶことが多いようです。古着が好きなのもそうだし(笑)、アンティークが好きなのも。朽ち果てそうな廃墟へ行くのも好きだし、僕の好きな言葉、古きを温ねて(たずねて)新しきを知る。僕にはこれがエスプリのような気がします。

ー ありがとうございます。最後になりますが、今回履いていただいたPATRICK ORIGINのARTOIS-OGについての印象と今後のPATRICKへのご要望があれば教えてください。

マーク:まずフランス生まれの父を持つ僕にとってパトリックは身近に感じられるスニーカーブランドですね。今回履かせていただいたARTOIS-OGは、黒いボディに白のラインがとてもクールで、しかもスエードというところが泣かせます。パトリックといえば、トリコロールカラーのモデルはもちろんですが、モデル名にフランスの地名を使ったものがもう少し増えると楽しいかな。シンプルなコートシューズが好きなので、ホワイトベースでいろいろなカラーのラインのものがあるといいですね。そのへんを楽しみにしています(笑)

ー マークさんらしいご意見ありがとうございます。本日は長い時間お付き合いいただきまして、ありがとうございました。今後も健康についての興味深い情報発信、楽しみにしています!


PATRICK公式のメルマガ(無料)に登録して最新情報をお届けします。



※ドメイン拒否設定がなされている場合《@kamei-pro.co.jp》からのメールが受け取れるよう設定の変更をお願いいたします