INSIDE ORIGIN|カイ・ペティート

WEBコンテンツ「INSIDE ORIGIN」は、さまざまな分野で活躍する方々をゲストにお迎えし、「ルーツ(ORIGIN)」をテーマに、歩んできた人生の中で大切にしている価値観や信念について語っていただくストーリーコンテンツです。 その人が歩んできた道や原点に触れることで、言葉や表現の奥にある「本質」に少しだけ近づいてみたい。そんな想いを込めています。
第7回目のゲストは、鎌倉生まれ、鎌倉育ちのギタリスト、カイ・ペティートさんです。 海と山に囲まれたこの土地の静けさと、ゆったりとした時間の流れをそのまま映し出したような、やさしく包み込むようなギターの音色が魅力です。彼のギターから奏でられる音は、繊細で温かく、聴く人の心を静かにほぐしてくれます。
アメリカ人の父と日本人の母を持ち、ジャンルを越えて育まれた豊かな感性は音楽のジャンルを問わず、自然に溶け込み、独自の「カイ・サウンド」を生み出しています。そして何より印象的なのは、彼の人柄。穏やかで、誠実で、誰とでも自然につながるその姿勢は、ステージの上でもそのまま、音を通して観客と深く心を通わせます。鎌倉の空気をまとった彼のギターは、今日もどこかで誰かの心にそっと寄り添っています。
Photo_Yusuke Hosoi
Text_Takayuki Ohno
Edit_Toshihiro Otake
カイ・ペティート[ミュージシャン]
神奈川県鎌倉市出身。
中学時代に吹奏楽に魅了され、パーカッションやドラムを学び始める。
同時期にギターも手にし、19歳で渡米。ボストンのバークリー音楽大学で4年間にわたり研鑽を積み、在学中ギブソン・ジャズギター・コンテストに出場し、優勝を果たす。
帰国後にメジャーデビューし、これまでに3枚のアルバムをリリース。
2012年からはフリーアーティストとして、さまざまなバンドやプロジェクトに参加し、全国各地で活動を展開中。
オープンチューニングやベース弦を取り入れたアコースティックギター、ギター弦を張った6弦ベースなど、独自の変則チューニングを駆使した演奏スタイルが特徴。
バンジョーや三味線など多彩な楽器も操り、唯一無二の音楽世界を表現している。

ー こんにちは!いつもパトリックを愛用いただきありがとうございます。
先ずは、パトリックとの出会いについて覚えている範囲で教えていただけますか。
Kai:こんにちは!もうかなり前になりますが、鎌倉の先輩でもあり兄貴のような存在でもあるラジオDJのジョージ・カックルさんから、当時パトリックのPRを担当されていた方を紹介いただき、そこから僕のパトリック人生がスタートしたんですよ(笑)
ー そうでしたね!随分長いお付き合いですよね。Kaiさんにパトリックを愛用いただいて、もう20年近くなるのですね。あらためてパトリックの魅力をあげるとすれば、どんなところでしょうか?
Kai:まず履いて感じたことは、とにかく足に馴染むのが早いところですね。本当の話、パトリックを履くまで僕の足にフィットするスニーカーが無かったんですよ。
あとはパトリック、オリジナルのデザインに惹かれたことでしょうか。レトロなスタイルからエキセントリックなものまで、いろいろなタイプがあることが大きな魅力ですね。
フランス独特のデザインと日本が誇る繊細なモノ作り、これが僕がおおいに感心した点でしょうか。

ー お褒めいただき ありがとうございます。足に馴染む、ここがポイントだったのですね。では、ステージ(仕事)でパトリックを履かれるとき、コーディネートなどで意識していることはありますか?
Kai:コーディネートというよりは、履き心地の違いでパトリックを選ぶことはありますね。例えば演奏中、足で床を叩いてリズムをとるのですが、そんな時は比較的ソールが薄く固いものがしっくりくるんです。
ー こちらも履き心地の話になってしまいましたね(笑)
では、KaiさんのORIGIN(音楽のルーツ)についてお聞かせください。最初にはまったミュージシャンとか、ギターを始めたきっかけは何だったのでしょうか?
Kai:ウチでは日常的に両親がアコースティックギター、兄がエレキを弾いていて、家中ギターだらけでした。最初に音楽にはまったのは中学生の時に入部した吹奏楽部でしたが、僕はパーカッション/ドラムを担当していて、その当時はドラマーになりたくて毎日、家の勉強机をドラムに見立てて叩いていたのですが、家族にやかましいと言われ肩身の狭い思いをしてましたね。そんなこともあり、じゃあ、両親と兄が弾いているギターなら文句を言われないと単純に思ったわけで、そこからギターを始めたんですよ(笑)

ー なるほど!家族全員が楽器を弾くという家庭環境で育ったんですね。その後、世界最高峰の音楽学校といわれているバークリー音楽院に入学されることは必然だったのですね。
そうなのかもしれませんね(笑) 毎日のようにギターの練習に明け暮れていた高校時代に愛読していたヤングギターという雑誌に「バークリー音楽院奨学金オーディション」というインフォメーションが掲載されていたのを母が見つけて応募したのですが、見事に合格して(笑)奨学金をいただけることになり、夢の音楽留学を実現できることになったわけです。この時のことは両親、とりわけ学費を工面してくれた父に感謝しています。
学生時代は本当に楽しい毎日を送っていたのですが、その中でも一番の思い出は、2002年の夏休みにバークリーでバンドをしていた同級生が僕に会いに日本まできてくれたのですが、その時ちょうど日本で行われたギブソン・ジャズギターコンテストで優勝したことですね。

ー それは素晴らしいですね!では、バークリー音楽院を卒業されてから、プロのミュージシャンとして順風満帆だったのですね。
Kai:いえいえ、卒業後はいろいろと挫折も経験して苦労の連続でしたよ。ギターが弾けなくなったり、音楽以外のアルバイトで生活を維持していくことで手一杯でした。それでもなんとか立ち直り、またギターを弾き始めたのですが、その時大きな転機が訪れたのですが、それは当時働いていた店で我らジョージ・カックルとの再会でした。その時、音楽プロデューサーとして活躍していた彼の奨めで、晴れてプロミュージシャンとしてのキャリアをスタートすることになったわけです。

ー Kaiさんは、アコーステック、ジャズ系など様々なジャンルの曲を弾かれていますが、好きなジャンルとかミュージシャンについて教えていただけますか。
Kai:最近ではよくブルーグラスを聴いたり演奏しています。好きなミュージシャンは、ジェイムス・テイラー、パット・メセニー、チャーリー・ハンターかな。それから、サム・ブッシュやビリー・ストリングスなども気に入っています。

ー 今日、お持ちいただいているギターですが、とてもかっこがいいですね♪
愛用のギターついて少しお話を聞かせていただけますか。
Kai:Hiramitsu Guitar Custom Baritone(平光泰典さん)のギターを愛用しています。
実はこのギター、構想から10年かけて完成したベースとギターが共存する、かなりマニアックなアコースティックギターで、先ほども名前が出た、ジャズミュージシャンのパットメセニーやチャーリーハンターから影響を受けて、自分でも弾いてみたいと思ったのですが、日本屈指のギター・ルシアー(ギター職人)の平光さんが一から作り上げていちゃ抱いた名品なんです。

Kai:僕は昔から、いろいろなジャンルの音楽を演奏(伴奏)するときに、ベース弦とギター弦の両方使って弾けたら素敵だなと思っていたんですよ。通常、ベースギターとギターの広い音域を一つの楽器で鳴らすのは構造上とても無理があるんです。そんな、ある時、平光さんとお会いする機会がありまして、自分の構想をお話させていただいたら、元来、職人気質をお持ちの平松さんのハートに火をつけてしまったようで(笑)そこから試行錯誤が始まり、彼の職人技によってついに現実のものとなったのがこのギターなんでよ!

ー 素晴らしいギターなんですね!ちょっと失礼な言い回しになりますが、ギターの弦を逆さにしたり、蛇三線を弾いたりと、な少し変ったプレーがお好きですよね。そのへんのことについて聞かせてください。
Kai:そうですね、弦楽器、特に生音で共鳴するアコースティック楽器が好きで、様々な楽器からインスピレーションを常にもらっています。チューニングや奏法など、全てに学びがあり他の楽器にも活かせるところも、はまっている理由です。そんなことを楽しんでいる感じでしょうかね(笑)

ー プライベートな話になりますが、Kaiさんのお気に入りのミュージックBARやライブハウスがあれば教えてください。
Kai:断然、surfersですね!!
海の目の前でフルPAで音が出せる、聴ける。こんな楽園のような場所があること自体が信じられないです(笑)ナルさん、いつもありがとうございます!

ー ところで、今日、履かれているORIGINシリーズのDEAN-OGの感想をお聞かせいただけますか?
Kai:そうですね、第一印象は音楽も含め、僕の好きな時代の70年代という感じでしょうか。レトロなスタイリングや飴色のソールカラーにやられました(笑)カラーリングも好みで、今日着てきたシャツと色のトーンもバッチリだと思いませんか?(笑)パトリックが日本に上陸した時のモデルを復刻したシリーズと聞きましたが、僕は逆に新鮮に感じました。ぜひ他のモデルも履いてみたいです。

ー 素敵な感想をありがとうございます! さて、最後の質問になりますが、今後のパトリックへご要望などあればお聞かせいただけますか。
Kai:個性的なスニーカーをKeep on!で世に送り出してください!
和の要素、例えば足袋スニーカーみたいなのあったら楽しいかも♪
これからも素敵なスニーカーを作って、僕らミュージシャンを楽しませてください!
ー Kaiさん、本日はありがとうございました。益々のご活躍を期待してます!
PATRICK公式のメルマガ(無料)に登録して最新情報をお届けします。
※ドメイン拒否設定がなされている場合《@kamei-pro.co.jp》からのメールが受け取れるよう設定の変更をお願いいたします