BON VOYAGE
BON VOYAGE
ボンボヤージュ パトリックの歴史と文化

フローラン・ダバディさんが聞く
最高のカスタマーサービスとは
【ル・クラブ編】

フローラン・ダバディ氏

最高のカスタマーサービスとは 1. 新しいカスタマーサービス:ル・クラブ

スポーツキャスターをはじめ、多方面で活躍しているフローラン・ダバディさんをお招きし、フランス文化や日本文化に触れ合う旅へご案内する「BON VOYAGE」。今回はダバディさんとパトリックリテイル部門マネージャーの小池要治さんに最高のカスタマーサービスについて対談【ル・クラブ編】をお届けします。

前編【カスタマーサービス編】はこちらから

フローラン・ダバディ氏

ダバディさん:パトリックではカスタマーサービスの展望はあるんですか?

小池さん:実は昨年10月より「ル・クラブ」というパトリックのファンである顧客向けの新しいサービスをスタートさせました。コンセプトはお客さまとの語らいとサービスの向上です。お客さまのとのコミュニケーションを通して普段の接客では話せていないことなどもゆっくりと語り合い、より良いサービスに繋がればと思っております。

ダバディさん:会話の場が増えるのは単純に嬉しいことですよね。具体的には何を実施されているのですか?

フローラン・ダバディ氏

小池さん:新作や限定品などの商品情報をいち早くご案内することをはじめ、ご来店いただいた顧客さまにお水やお土産などをご用意しています。水はパトリックのオリジナルラベルのもので、最近ではブランドロゴ入りのクッキーやどら焼きなどをご用意してお迎えしたりもしています。

ダバディさん:とてもカワイイ!SNS映えしそうです(笑)。それを目当てに伺いたくなりそうですね。

小池さん:ありがとうございます。SNSでも好評だとお喜びいただきました。パトリックではSNS上でも家族のようにカジュアルなお付き合いをさせていただいているので、直ぐにお客さまのリアクションが分かるんです。また店舗スタッフ個人が専用のアカウントを持っており、お客さまとの連絡ツールにもなっています。

ダバディさん:ブランドのSNSはどのメーカーもありますが、個人がお客さんとSNSで交流するのは珍しいですね。実際どのような連絡があるのですか?

フローラン・ダバディ氏

小池さん:私もメッセージをいただくのですが明日お店にいますか?という本当に気軽なメッセージをいただいたりします(笑)。

ダバディさん:わお!本当にラフですね(笑)。でもそれは小池さんが信頼されている証ですね。僕もバーとかに行くときは馴染みのバーテンダーがいるかどうか確認したりしますから。その人と会話をしたいし、その人から何かを買いたいという思いがあるからこそのメッセージだと思いますよ。

小池さん:ありがたい限りです。そのほかはモデルやサイズの相談まであって本当に店舗の延長という形でSNSがありますね。おそらく他メーカーと違う点は不特定多数ではなく顔の分かる人に向けて個人がしっかりと発信している点だと思います。手法は違えど相手の顔を思い浮かべながら手書きのお手紙をしたためる感覚でSNSを使っています。

ダバディさん:新しいメディアをあえてクラシックに使うことで、古き良き信頼関係が紡がれている感じですね。

フローラン・ダバディ氏

最高のカスタマーサービスとは 2. お客さまと作る最高のカスタマーサービス

小池さん:「ル・クラブ」の理念も基本は一緒なんです。お客さまの顔を思い浮かべながら、どうしたらもっと喜んでもらえるサービスになるかを考えて出来たもの。まだまだスタートしたばかりですが今後は6月と12月にささやかなパーティーを開く予定です。

ダバディさん:いいですね、大好きです(笑)。ぜひ行きたくなるようなポイントを教えてください。

小池さん:来シーズンのコレクションをはじめ、パトリックや店舗の取り組み、ブランドの世界観を感じていただきながら軽食とともにお話しできる場になればと。また靴好きによる密度の高いコミュニティを作ることで、新しい商品開発のヒントや、カスタマーサービスの向上にも繋がればいいと思っています。

フローラン・ダバディ氏

ダバディさん:それはいいですね。同じ好きを共有できることってとても楽しいんですよね。自分の形に育てた靴や、廃番となっているレアモデルなど各々の靴自慢で盛り上がりそうですね。

小池さん:そうしたお客さま同士の会話もぜひ伺いたいと思っています。ただ靴の話だけでなく、他愛もない話をお客さま同士でもされたり、その場の皆さまが家族ぐるみのようなお付き合いになっていくと嬉しいですね。過去には神戸の街をお客さまと散策して食事をするといったイベントを開催したこともあり、今後もそうしたお客さまと繋がるイベントなども徐々にできたらと考えています。

ダバディさん:楽しそうなイベントですね。まるでサークルのように和気あいあいになれそう。そのようなイベント内容はどのようにして生まれてくるのですか?

フローラン・ダバディ氏

小池さん:やはりお客さまとの会話からなんです。サービスやイベントなども私たちはお客さまとともに作っていきたいと思っています。そういったことがサービスや商品の改善、新商品の企画に繋がったり。本当に必要で、本当に喜ばれるものとは、お客さまから発せられた言葉の中にありますよね。だからこそお客さまとの会話が大切だと考えています。

ダバディさん:お客さんと会話を重ねることで日々作られていくカスタマーサービスの新しい形。それは終わりがないもので、メーカーからしたら大変かもしれないけど、僕らにとって最高のものに違いないですね。ちなみに僕は工場見学が好きなのですが、そういったイベントはいかがでしょうか(笑)。

小池さん:貴重なご意見としてしっかりと社内全体に声を届けたいと思います(笑)。これからも皆さまのご意見とともに素晴らしいサービスを整えていく予定ですので今後の「ル・クラブ」も楽しみにしていてください。

BON VOYAGE

プロフィール

フローラン・ダバディ Florent Dabadie
1974年、パリ生まれ。フランス国立東洋言語文化学院で日本語を学び、渡日して映画雑誌『プレミア日本版』の編集に携わる。1998年〜2002年サッカー日本代表監督フィリップ・トルシエ氏の通訳・アシスタントを務め、現在はWOWWOWのテニス番組のナビゲーターやフランスサッカーリーグの解説といった幅広いフィールドで活躍中。

http://dabadie.tv/
https://www.instagram.com/florent_dabadie/