BON VOYAGE
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ボンボヤージュ パトリックの歴史と文化

フローラン・ダバディさんが聞く
最高のカスタマーサービスとは
【カスタマーサービス編】

フローラン・ダバディ氏

最高のカスタマーサービスとは 1. カスタマーサービス

スポーツキャスターをはじめ、多方面で活躍しているフローラン・ダバディさんをお招きし、フランス文化や日本文化に触れ合う旅へご案内する「BON VOYAGE」。今回はダバディさんとパトリックリテイル部門マネージャーの小池要治さんに最高のカスタマーサービスについて対談【カスタマーサービス編】をお届けします。

フローラン・ダバディ氏

インターネットが普及して以来、さまざまなショッピングが便利になりました。一方で、お客さまとお店の対話は昔に比べて少なくなったように感じます。そんな現代だからこそ、改めて接客及びカスタマーサービスの大切さについて、ダバディさんと接客のプロである小池さんに聞いてみました。世界から見ても品質の高い日本のサービス、そして新しいカスタマーサービスの在り方をお送りします。

最高のカスタマーサービスとは 2. 信頼を紡ぐ会話

フローラン・ダバディ氏

フローラン・ダバディさん(以下ダバディさん):今日はカスタマーサービスについて、接客のプロである小池さんとさまざまなお話をできたらと思います。

小池要治さん(以下小池さん):ダバディさんご無沙汰しております。本日は宜しくお願いします!

ダバディさん:こちらこそ!いつも楽しい接客をありがとうございます。早速ですが、現代は昔に比べてインターネットも普及して、接客やカスタマーサービスの在り方自体が様変わりしているように感じています。店舗側の小池さんはどのような印象を受けていますか?

フローラン・ダバディ氏

小池さん:確かに世界的に見たらお客さまと対話する機会というのは確実に減っていると思います。ただお陰様でパトリックではあまりそのようには感じておりません。店舗の創業からお客さまとのコミュニケーションを第一に考えてきたことで、今も変わらず足を運んでいただけているように感じます。

ダバディさん:それはとてもいいことですね!僕もお店に行く度に小池さんとの会話を楽しみにしていますから(笑)。初歩的だけど会話をすることがカスタマーサービスの基本であり一番大切なことですよね。お客さんとはどんなコミュニケーションを心掛けているんですか?

フローラン・ダバディ氏

小池さん:私たちはお客さまを家族のように考えていて、だから会話は商品説明に限りません。お互いの近況や家庭の話などのプライベートなこともいろいろ。ときには異動したスタッフのことを気にかけて尋ねてくる方もいらっしゃるんですよ。

ダバディさん:まさに家族みたいな付き合いですね。僕が思う日本のカスタマーサービスの良い点は、そうした暖かい接客に加えて、リカバリーの対応がとても優しいんですよね。例えばフランスでは不良品による靴の修理を店舗に相談しても基本的にはNOなんです。お店に職人がいないからできないの一点張りで相談すらしてもらえない。でも日本は復元が難しい案件でも、近い形の代案などを提案してくれる。そうしたお客さんへの親身な寄り添い方が素晴らしいですよね。パトリックの接客にも同じような寄り添い方を感じられてとても気持ちがいいです。

小池さん:ありがとうございます。パトリックはお客さまとの関係を点で捉えていないんです。買ったら終わり、ではなくこの先何年何十年もご愛用いただくために私たちがいると思っています。だから出来ることはもちろん、出来ないことも最大限に努力することで、少しでもお客さまが喜んでくださったら私たちも嬉しいんですよね。ただ一方的な会話にならないようにお客さまの声をしっかり聞く、そして意見を反映していくことも大事にしています。

フローラン・ダバディ氏

ダバディさん:フィードバッグをお店がどう扱うかでカスタマーサービスの品質は大きく変わってきますよね。そうした意味も含めて日本で受けたサービスの中で一番感動したのは伊豆・修善寺のあさばという旅館。10年前ぐらいに泊まった際におもてなしの全てが最高だったけれど、枕が柔らか過ぎて僕には合わなくて。それを帰り際に正直にお伝えしたんです。それから何年後かに再訪したら、枕の種類が選べるようになっていたんです。しかも硬さから香りまでの5種類も。とても嬉しかったですし、自分の声が反映されていることにも驚きました。お客さんの意見をクレームと見ないで、アイディアと捉えることで、サービスの品質は向上していきますよね。

小池さん:素敵なお話ですね。パトリックもお客さまからのご意見でインソールや紐の改善から商品化までしたものなどが実はたくさんありまして、それもあってお客さまと一緒にお店を作っている感覚もあったりするんですよね。そうした声をもっと大事にしたい。だからこそカスタマーサービスというものをパトリックとしてお客さまに喜んでいただけるよう発展させていきたいと思っています。

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プロフィール

フローラン・ダバディ Florent Dabadie
1974年、パリ生まれ。フランス国立東洋言語文化学院で日本語を学び、渡日して映画雑誌『プレミア日本版』の編集に携わる。1998年〜2002年サッカー日本代表監督フィリップ・トルシエ氏の通訳・アシスタントを務め、現在はWOWWOWのテニス番組のナビゲーターやフランスサッカーリーグの解説といった幅広いフィールドで活躍中。

http://dabadie.tv/
https://www.instagram.com/florent_dabadie/