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【Make up Rule #9】 三澤世奈さんのメークアップストーリー

2021.3.30

  • Make up Rule

Make up Rule InterviewSena Misawa

いつの時代もトレンドに左右されることのない、洗練された大人のファッションを表現するPATRICK。「足元のメークアップ」をキャッチコピーに、自由で心地よいライフスタイルを提案し続けています。 そんな足元のメークアップにフォーカスしながら、その人のライフストーリーまで紹介する「私のメークアップルール」。今回は伝統工芸・江戸切子職人として、自身のブランド「SENA MISAWA」を手がけている三澤世奈さん。日々作品作りに奮闘する彼女ならではのメークアップストーリーを聞いてきました。

自分が “心地良い” と思う切子を、使い手と共有したい

ガラスの表面に切り込みを入れて表現した美しい文様や色とりどりの鮮やかな色、そして光の反射が織りなす唯一無二の輝き……。江戸時代後期から続く伝統工芸である江戸切子に魅せられ、その門を叩いた三澤世奈さん。現在約100人いる職人のうち、女性はわずか15名ほど。2019年より自身のブランドをスタートさせた三澤さんは、独自の感性を活かした作品を数々と生み出し、江戸切子の新たな世界を切り開いています。

昔から工作が好きで、中学生のころは友達のためにネイルチップやデコ電などを作っていたという三澤さん。江戸切子に出会ったのは、将来を模索していた大学生のときでした。親方である「堀口切子」の堀口徹氏とコスメブランド「ポーラ」がコラボレーションした作品を見て、今までにない衝撃と感銘を受けたのです。同時に江戸切子への可能性も強く感じ、すぐさま弟子入りを志願。「そのときはタイミングが合わなくて、大学卒業後はネイル関係の会社に就職しました。でも、諦めきれずHPをチェックしていていたら、偶然求人募集を見つけて。そこで再び連絡をして、試用期間として3ヶ月、働かせてもらえることになりました」

入社して5年目となる2019年に自身のブランド「SENA MISAWA」をスタート。”日常空間に心地の良い切子”をコンセプトにした三澤さんの作品は、どこかモダンで女性らしさも感じられるものばかり。デザインや色使いもとても新鮮で、ついいろいろと揃えたくなります。これらは日々の生活や旅などから得たさまざまな要素がエッセンスとなっており、自身が欲しいと思うもの、自身にとって心地良いものを作ることも大切にしているそう。デザインの考案から製作工程、お客様が手に取るところまで、あらゆる瞬間に楽しさや喜びを感じているという三澤さん。江戸切子は三澤さんの人生そのものといっても大袈裟じゃないほど、なくてはならない存在になっているのです。

1.キラキラと輝くガラスが好き

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「昔からキラキラしたものが好きで、なかでもガラスの輝きは特別。上品でしとやかな輝きやギラっと豪華絢爛な輝きなど、種類もさまざまで見ていて飽きることがありません。ガラスのキラキラが素敵というのは、老若男女問わず万国共通だと思っています。ちなみに私は自然光の下で、優しく輝くガラスに惹かれますね。江戸切子職人はカット専門の職人なのですが、私はガラス好きが高じて吹きガラスも趣味で習っています。どのくらいの大きさがいいのか、どんな形だとお酒の香りが立つのか。新しいグラスを作るときに土台となる素材を自分で試作するのもすごく楽しいです。不透明な色ガラスを作品に取り入れるきっかけも、実は吹きガラスでその存在を知ったからなんですよ」

2.インスピレーションの源は日々の生活

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「休日はアートや映画を見たり、たまに旅行に行ったりして過ごしているのですが、そのすべてが江戸切子のインスピレーションになっています。逆にインスピレーションを得るために出かける場所や作品を決めているくらい。どんなことをしていても、結局は江戸切子と結び付けてしまっているんです。もちろん好きな分野はありますが、インプットが偏らないよう、自分が知らない分野も積極的に勉強するようにしていますね。いろいろなところにアンテナを張って、そこから自分が好きなものを摘んでいく感じです。今は仕事もプライベートも、どっぷり江戸切子にハマっていますね(笑)」

3.世界にあふれている色を知るのが楽しい

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「SENA MISAWAの作品の魅力は、今までの江戸切子にはない色や質感だといわれます。なかでも色の選び方には特別なこだわりがあり、さまざまな分野からインスピレーションを得ています。たとえば、ハンガリー出張の後に個人的に行きたかったドイツのバウハウスで、建築のいたるところに使われていた鮮やかな色の組み合わせにインスピレーションを受けたり、帰国後に日本らしい鮮やかな色合いを学びたいと日光東照宮に訪れたり。それまで日常的に心地良い色というと淡めのトーンで作っていましたが、バウハウスと日光東照宮のおかげで鮮やかなトーンでも日常に馴染むことがわかりました。色の組み合わせ次第で、その空間全体に存在感をもたせることも、自然と馴染ませることもできるので、どんな組み合わせが良いのか考えることが楽しいんです」

4.ストーリーが感じられる服を着る

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「昔からファッションはすごく好きなんです。パタンナーの友達がいるのですが、手がけているブランドの服がどのようなプロセスで作られているのかなどを教えてもらうのも本当に楽しいです。服の素材やデザイン、製作の手法が自分の作品作りの参考にもなりますから。友達が関わっていることもありますが、服はストーリーがきちんと感じられるものに惹かれます。作り手のストーリーが見えてくると、どうしてその素材が使われているのか、どうしてそのデザインになっているのかを深く理解できて、より心地良く着られます。そう考えるとプライベートで着る服も、江戸切子に通じているところがあるのかもしれません」

5.ソックスは仕事もプライベートも遊ぶ

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「服は仕事とプライベートをわけているのですが、ソックスは共通。自分が好きなもの、遊び心があるものを買っていいことにしています。だからソックスのワードローブは、割と派手ですね(笑)。ソックスは着こなしのバランスを決める要だと思っているので、色や柄で遊びつつも全体のバランスを取ってくれるものを選んでいます。今日セレクトしたのは、池尻大橋にあるロビーというバーを経営している友達が手がけたもの。ローカットスニーカーを履いたときにチラッと覗くロゴと、ピンクをさりげなく効かせたボーダーが気に入っています。このソックスはパッケージもかわいくて、すごく素敵なんですよ。そういうところも重要だし、選ぶときのポイントにもなりますね」

6.仕事では厚いソールのスニーカーを履く

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「仕事でもプライベートでも、アクティブに行動できるスニーカーを履くことが多いですね。デザイン性が高い服とバランスが取りやすいので、足元はシンプルが基本。特に作業中に履くスニーカーはこだわりがあって、ソールが厚くて耐久性が高いものを選ぶようにしています。ソールが薄いとすぐにダメになってしまうんですよね。普段から親方特注のリネンのワークコートを作業着として着ているのですが、今日は黒のスニーカーが主役なので、ワークコートをはじめとする着こなしもソックスも黒でまとめてみました。TPOやその日の気分に合わせて、トータルコーディネートするのがマイルールです」

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江戸切子に魅了されて以来、プライベートも江戸切子一色になっている三澤さん。なかでもあらゆるものがインスピレーションソースになっている、色やデザインへの飽くなき探究心は目を見張るものがあります。ジャンルは違うものの、素材使いやカラーリングなどにこだわりをもつパトリックともどこか通ずるところがあると感じました。だからこそ三澤さんの日常に、パトリックのスニーカーはすっと溶け込んでいたのです。

Profile

三澤世奈さん

1989年、群馬県生まれ。大学在学中に江戸切子作家 三代秀石 堀口 徹氏の作品に感銘を受け、江戸切子職人を目指すことに。2014年に念願の堀口切子に入社し、2019年7月より自身のブランド「SENA MISAWA」をスタート。今までにない新しい色や質感の作品を積極的に発表し、江戸切子業界に新風を吹き込んでいる今注目の切子職人の一人。

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